ジャック・ラカン
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■通勤途上、電車などで動悸がする、息苦しくなる、吐き気がしてくる、腹痛がきて便意を催す。またこれらの症状とともにあるいは前触れとして予期不安を感ずる。 はいわゆるパニック発作ですが、パニック発作があったからといってパニック障害であるとは限りません。うつ病の主訴(患者さんがメンタル系医療機関を受診なさり、最初に訴える内容のことです)。 また、 ■対人的緊張が強い。人前でうまく喋ることができない。顔が赤くなる。 表情がこわばる。自他ともに視線が気になる。 といったお悩みを抱えているからといって、社会不安障害(精神神経学会ではこれを社交不安障害と訳し直す意向です)とか対人恐怖症とは診断せず、基底にあるうつ状態を重視しうつ病と診断することはよくあります。 ■食欲不振、不食、過食、会食不能等摂食上の問題。 においても当然食欲不振がうつ病の症状である可能性はありますし、過食は所謂非定型うつ病の症状として特徴的なものです。 最後に ■施錠、ガス栓開閉の確認、書類に不備はないかどうかの確認、手洗いなどに対して必要以上に神経質になっている。 は強迫症状ですが、強迫性障害ではなくうつ病である可能性もあるのです。うつ病に罹ると、自分の仕事に対して自信が持てなくなり、作成した書類を何度も読みなおすことはよくあることです。「前向きになれない」ので後ろを振り向くしかないからともいえます。 いろいろ書きましたが、「上司とうまく行っていない」、「朝床離れが悪い」、「朝、顔を洗うとき表情が固まっている。特に目の表情が硬い」と感じたらご来院ください。上司とうまく行っていないと思うのは既にうつ病が発病しているので、ネガティヴに考えてしまう - そのこと自体が症状なのです。きちんと治療をして、生活上の負担を軽減すれば、2~3週間もすれば、「まあ、上司とは仲良しの関係ではないが、仕事上の関係なので、まあいいかっ」と思えるようになります。 |